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2020年オタク楽曲10選

こんにちは。

2020年も色々と曲を聴いていたので、振り返りも兼ねて最も好きだった10曲を選ぶやつをやりたいと思います。

毎年やってる楽曲10選ですが、僕が去年の記事で「今後アニソンや声優ソング方面でも間違いなく伸びる」と勝手に予言していた瀬名航さんが、今年人気声優ユニットのDIALOGUE+の楽曲制作陣としてあのZAQさんや広川恵一さんと並んで抜擢されるという事件が起きました。

瀬名航、これからアニソン・声優ソング方面でも間違いなく伸びてくる作家だと思うので楽曲派の方々は名前覚えておいてください。

 

 

別に僕が何かしたというわけではなく、ただ瀬名航さんの実力が順当に評価されたというだけの話なのですが、これからも引き続き勝手に人や曲を持ち上げて勝手に悦に浸っていきたいと思います。

 

レギュレーション

・2020年中に音源(CDなど)が発売、公開された曲(先行配信を含む

・1アーティスト(1名義)各1曲まで

・並びは発売日順


 

 

 

新世界ライオット / Blanc Bunny Bandit

作詞・作曲・編曲:やぎぬまかな

バンめし♪のバンドであるBlanc Bunny Banditのアルバム『共鳴性白染自由主義』収録の一曲。アルバムの中でどれ選ぶか迷ったシリーズ1。共鳴性白染自由主義とどちらにするかギリギリまで悩みました。

バンドの自己紹介的な立ち位置の曲とのことで、AメロBメロの各メンバーのソロパートでそれぞれの担当楽器がメインとなっているという構成。そのソロパートがハチャメチャにカッコよくて良い。特に2Aのベース。

あと作詞作曲のやぎぬまかなさんによる曲の解説記事を読んでいて気付いたのですが、落ちサビ最初のピアノが歌と半拍ズレてるんですよね。こんな細かい工夫で「曖昧な安寧」という歌詞を上手く表現しているのが見事。

 

 

君の花を祈ろう / 鬼頭明里

作詞・作曲:shilo / 編曲:白神真志朗

鬼頭明里さんのアルバム『STYLE』収録の一曲。アルバムの中でどれ選ぶか迷ったシリーズ2。レギュレーション取っ払ったら10選に3曲ぐらい入っちゃいそうなSTYLEとかいう超名盤。

作詞作曲のshiloさんは今年はCUE!の「カレイドスコープ」、去年であれば同じくCUE!の「Forever Friends」やスタァライト九九組の「約束タワー」を書かれているのですが、こういうアルバムの後半を飾りそうなエモーショナルな曲作りが天才的に上手い……

落ちサビの美しいピアノの旋律から花が開くかのようなラスサビへの移行のあたりは、実際ライブで聴いていてあまりの気持ちよさに卒倒しそうになりました。

 

恋、いちばんめ / ukka

作詞:MICO(SHE IS SUMMER)、ヤマモトショウ / 作曲:ヤマモトショウ / 作曲:宮野弦士

 

アイドルグループukkaによる「桜エビ〜ず」から改名後初のシングル。

ukkaは楽曲の質が非常に高いアイドルとして知られており、アイドルオタクが良いアイドルソングを選ぶ「アイドル楽曲大賞2019」では、ukka(桜エビ〜ず)がトップ10のうち5曲を占めるという事態が発生しました。どういう部分が評価されてるのか、は言語化が難しいのですが、良い意味でアイドルらしくない楽曲をアイドルらしく歌っている点が刺さってるような気がします。

この曲も例に漏れず、どこか80~90年代の懐メロ感のあるついクラップしたくなるようなメロディーを、全員がしっかり歌いこなせていながらもどこか未完成な部分もある歌声で歌っているところが青春のラブソングって感じでとても好きです。

 

戸惑いテレパシー / 花譜

作詞・作曲・編曲:カンザキイオリ

オタクソングリスナーとしてはVTuberの曲も聴いておかなきゃなあと思い聴いてみるもいまいち良さが分からない日々が続いている一方、この曲、というか花譜というアーティストだけは違いました。

以前「アンジェラ・アキみたいな歌い方のVがいる」というツイートを見かけてどんなんだよと思って聴いてみたのが発端なのですが、明らかに他のVTuberやバーチャルシンガーとは一線を画した歌に初見で惹かれてしまいました。

歌への感情の込め方があまりにも直接的で、普通の音源なのにライブ音源かのような臨場感があります。儚さと力強さを一つの曲の中の歌声で両立させているのも凄い。上手い下手といったような既存の歌の評価軸の別次元にいるような存在だと思います。

曲に関する話を全然してないですが、独特の緩急と疾走感があって好きです。

 

 

familiar base / サンドリオン

作詞・作曲:渡辺翔 / 編曲:田中秀和(MONACA)

 

声優ユニットサンドリオン初のベストアルバム『SOUND OF BEST』にて、冒頭を飾る一曲。

「パラパラめくって先を確かめない」という出だしの歌詞。このスピードで否定文入れてくる曲初めて聴いた。

田中秀和さんのこういう欧風(ケルト風?)の曲にはWake Up, Girls!の「スキノスキル」という傑作がありますが、この曲も渡辺翔さんによるオタクが好む要素をふんだんに盛り込んだ詞やメロディーと上手く噛み合っていて、明るい未来を感じさせるような一曲になっていると思います。

サンドリオンは非常に良い曲が多いのにサブスクなし、TSUTAYA等のレンタルでも取り扱いなし、会場販売限定CD多数と音源入手難易度が異様に高かったのですが、2020年12月21日よりサブスクが解禁されることになりました!!!!!!!!(なぜかfamiliar baseは未解禁)(なんで?)

全曲回収推奨ですが、一番のオススメは「タイムトラベル」です。声優ユニットらしい歌声の幅広い表現力が際立つ名曲です。

 

 

 

Twinkle way / イルミネーションスターズ

作詞:渡邊亜希子 / 作曲:鍋谷卓摩(luxis) / 編曲:伊藤賢

 

アイドルマスターシャイニーカラーズのユニットソングシリーズ『GR@DATE WING 02』から。

編曲の伊藤賢さんは今年だけでも上田麗奈さんの「リテラチュア」、CUE!の「beautiful tomorrow」など、ストリングスが映える名曲を量産していますが、この曲もストリングスがめちゃくちゃに美しく、CDジャケットのような煌めく空のイメージを見事に描いています。

特に輝いているのが間奏。そこまで曲を彩ってきたストリングスがドラムをバックに前面に出てきて静かな落ちサビのソロに繋ぐ流れが素晴らしい……

 

 

恋のうた (feat. 由崎司) / Yunomi

作詞・作曲・編曲:Yunomi

 

アニメ『トニカクカワイイ』OP。

アニソンでこんな曲作っていいんだ……ってなった。アニソンという枠に囚われない構成で、Yunomiらしく和風の音も使いながらきっちり89秒という尺に落とし込んでるのが凄い。この早口言葉みたいな歌詞に応える鬼頭明里さんも凄い。

構成は既存のアニソンからかけ離れていますが、曲調はアニメのヒロインである司の印象を上手く表現していて、決して話題作りのために取って付けただけのタイアップではないと思います。

 

 

ツナガルコネクト / 天王寺璃奈(CV.田中ちえ美)

作詞:Ayaka Miyake / 作曲:DECO*27 / 編曲:ポリスピカデリー

アニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第6話挿入歌。

ボカロキッズなのでデコニーナの曲が嫌いなわけがないんですが、それ以上に歌詞が秀逸。

部屋でぼっち Crying
ネガティブばっか My mind
思ったようにいかなくて
ポッキリ折れてった
ココロもう一度
踊らせていきたいんだ

アニメ6話の感動的なストーリーを踏襲した内容に「部屋でぼっち Crying ネガティブばっか My mind」を始めとした口ずさみたくなるような語感のワードチョイス、キャラクターソングとして完璧な出来だと思います。

ところで虹ヶ咲のアニメの曲の歌詞ほぼ全部書いてるAyaka Miyakeさんって何者なんですかね?ナナシスのSATSUKI-UPDATEみたいなコンテンツ関係者の別名義かと思ってたんですが、過去には全然関係ないミリオンライブのEternal Harmonyの共作詞も担当していたのでそうではないっぽい。まあ誰であるにせよこの量の歌詞をこのクオリティで書いてくるのはバケモン。

 

 

ラクトリトルプライド / 夏川椎菜

作詞:夏川椎菜 / 作曲:田淵智也 / 編曲:HAMA-kgn

 

この曲のCD発売は2021年1月6日なので今年扱ってよいか正直かなり迷ったのですが、fullでの音源が先行配信されてるならいいだろということでルールを追加して10選にブチ込みました。

そこまで入れたかった理由は、単純にめっちゃ好きだからというのもありますが去年ファーストプロットをベタ褒めした以上、その延長線上にあるこの曲を今年選びたかったという思いが強いです。

 「延長線上」というのを最も如実に表わしているのがこちら。

 

ファーストプロット(サビ)

やっと胸張って伝えるんだ

これが僕のヒストリー

目を見て話すように歌ってみるから

ラクトリトルプライド(最後)

ほら目を見て話すように

それじゃ受け取って

太字で示した部分を聴き比べれば分かると思うのですが、メロディーラインが引用になっています。ファーストプロットではやっと一歩足を踏み出して歌を歌い始めたのに対して、クラクトリトルプライドでは自信を持って歌を届けられる存在になっているという成長の過程、たまんねぇ~~~~~~~~

曲の全体的な構成に関しては狂気そのもの。

イントロ1→0A→イントロ2→1A→1B(7拍子)→落ちサビ?→1サビ→2A→間奏→Dメロ→2サビ→Eメロ(7拍子)→落ちサビ→ラスサビ→3A

 

謎のイントロに始まりBメロで突然7拍子、その直後の落ちサビみたいなやたら静かなサビ、2番Aメロの後になんか間奏入って2番サビの後には再び7拍子……これ歌ってる間に自分がどこ歌ってるのか分からなくならんか?

先ほど一瞬言及した「共鳴性白染自由主義」という曲もこの謎の7拍子の使い手で、こういうどうノッていいのか分からない7拍子が突然挿入される曲めっちゃ好きなんですよね……例えば化物語の「帰り道」、アイカツスターズ!の「Dreaming bird」など。

こんな複雑な展開の中でもしっかりと楽曲の世界観は保たれていて、ライブ映えする一曲になっていると思います。

 

 

夏の花火と君と青 / DIALOGUE+

作詞:本間翔太、田淵智也 / 作曲:瀬名航 / 編曲:瀬名航、伊藤翼

 

この記事は瀬名航に始まり瀬名航で終わります。瀬名航先生の回し者なので。別に贔屓ではなくマジで良い曲だと思ったから選んだのですが。

瀬名航さんは8bitサウンドの使い方がまぁ~~~~~めちゃくちゃに良い。インストで聴くと派手にも聴こえる音が見事に溶け込んで曲の雰囲気を作り出しています。瀬名航8bitワークスにはアイドルグループtipToe.の「星降る夜、君とダンスを」という傑作があるのですが、この曲はこうした夜の賑やかさを思わせるエレクトロな音と、切なさを感じさせる伊藤翼ストリングスが掛け合わさっていて、夏祭りのデートという青春の情景をこれ以上ないぐらい綺麗に描いているように思います。

 

 

夏祭りを訪れた男女の、友達という一線を越えられない物語は太鼓の達人でおなじみ、JITTERIN'JINN(あるいはWhiteberry)の「夏祭り」を彷彿とさせます。が、「夏祭り」では曲の主人公は思いを伝えられずに終わるのに対して、この曲では2番冒頭で「応援歌に聞こえた」三三七拍子の花火の音がラスサビ後(2:56~)に再び挿入されています。最後の最後に消える花火に背中を押された、ということは……

もちろん曲のストーリーの解釈は自由ですが、こういう遊び心が粋で良いですね。

 

 

2021年は色々と個人的に節目にあたるため、忙しすぎて現場に行けるかどうかは分からない(そもそも現場があるかも分からない)ですが、家で音楽は聴いてると思うのでオタクソングのオタクとして頑張っていこうと思います。

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