想像ダイアリー

片言だって態度でわかるのに

2022年にプレイしたWHITE ALBUM2 雑感

11年も前の超有名作なので今更こうやって感想を書くまでもないかもしれませんが、色々と思うところがあったので書くことにしました。

以下全てがネタバレなので、もしまだプレイしたことがない人が読んでいればこちらのブログを参考にプレイしましょう。WA2でググって出てくる情報って大体古くて参考になったりならなかったりするんですが、この記事は2022年現在の情報がよくまとまっています。

 

kuvnlovers.hatenablog.com



 

 

感想

この作品の評価とかは追々書くとして、今思えばプレイ中は小木曽雪菜という女性に頭を狂わされていた。

codaのかずさルートで雪菜とその周りの世界がどんどん壊れていくのを見ると本当に頭がおかしくなりそうだった。途中でセーブして翌日再開しようとしても、続きを見る気が起きなすぎてタイトル画面のまま1時間ぐらい放置してYouTubeを見ていたこともあった。今は全く思っていないが、このルートを見た上でかずさ派と言い張る人間やこのルートを最後にやるべきと言ってる人間は全員人格破綻者だと思っていた。

ただ、かずさを嫌いになったことは最初から最後まで一度もない。かずさだけの意思で雪菜を奪ったことって結局一度もなくて全部春希の病的な執着が悪かったし、分かりやすく可愛らしいところもたくさんあって雪菜さえいなければ好きなヒロインだったんだろうなと思う。

 

雪菜に対する感情の遷移

introductory chapter時点ではそこまで好きではなかった……というより、むしろかずさ派だった。恋愛に対して積極的な女の子のほうが好きなので第一印象は雪菜だったけど、純粋な恋愛感情以外を目的に春希に迫って、春希とかずさの思いを知っていながら二人を引き裂いた(ように見えた)ために最終的に雪菜にはあまり印象はなかった。

「ように見えた」というのは、雪菜の「かずさほど春希に真剣じゃなかった」という擁護が春希を庇うための嘘であることにこの時点では気付いていなかったから。自分の読解能力が低すぎるだけかと思ったけど、アニメではそれを雪菜自身がはっきりと否定するシーンが挿入されてたし、これが本心だと勘違いした人は少なくないんじゃないの?と勝手に思っておく。

それが嘘だと気付いたのはclosing chapterの前に『歌を忘れた偶像』を読んでいた時だったけど、このあたりから雪菜に対する感情が爆発し始めた。このどうしようもなくめんどくさく、嫉妬深く、だけど一途な人の恋が報われてほしいと思っていた。なのでccのサブヒロインルートはもはやほぼ作業に近かった。小春ルートで小春が答辞を読み上げるシーンだけはちょっと泣いた。

その分雪菜ルートは求めているものが見られてめちゃくちゃ嬉しかった。特に印象に残ったシーンを3つだけ抜粋。

 

このゲームを通して二番目に泣いたシーン。(少なくとも作中では)春希が初めて雪菜に気持ちをはっきり伝えた場面で、それだけでも十分意味のあるシーンだけどこのシーンに到るまでに雪菜が振られる展開を3種類も見せられているので悪夢のループを抜けたような達成感があった。そして嬉しくて泣いてる雪菜がかわいい。

 

このゲームを通して一番泣いたシーン。直接の引き金が酒っていうのはちょっと微妙ではあるが、わがままな雪菜、本音を喋る雪菜が3年ぶりに見られて懐かしさと喜びが一気に込み上げてきてオンオン泣いてしまった。

雪菜のわがままって基本的には弁えたわがままで、こんなダルい女みたいな理不尽なわがままをぶつけるのはごく限られた状況でだけだけど、それは雪菜が3年分せき止めてた思いを解放してくれたことの証で3年止まってた時が少しずつ動き始めたことの象徴のようなシーンに感じる。そして嬉しくて泣いてる雪菜がかわいい。

 

この時の雪菜が一番かわいい。

 

codaはかずさルートは心がボロボロになるし、他のルートもまあまあしんどくて雪菜ルートですら雪菜の幸せが確定したのって最後の数十分だけの話なのでただ雪菜が報われるのを祈る立場からするとほぼ一貫して辛かったなと思う。一方で、どのルートでも雪菜の強さという魅力を痛感させられた。

ccでは泣いている描写が多かったし、春希に救ってもらったという構図だったのであまり雪菜の強さを感じる場面はなかったように思う(その分かわいい場面は多かったけど)。codaは打って変わって春希やかずさを救う立場、痛みを受け入れる立場の役回りが多くて、5年間を通じてこんなにも成長したんだな……と感慨深いものがあった。

 

雪菜の魅力

一言で表せないところが魅力だと思う。

一言で言おうとすれば「優しい」が一番近いのかもしれないが、かずさや春希に対しても無条件で全てを許しているのではなくて恨み辛みを抱えた上で自分が許したい’(あるいは咎める資格がない)と思っているから受け入れてるのであって、行動原理に優しさがあることってそんなに多くないように思う。一方でかずさルートや小春ルートで自分の思いを殺して春希と春希の選んだ人の幸せを尊重する姿はまさに優しさの表れで、雪菜の一番魅力的な姿の一つなのは間違いない。

そういった姿はただ「自分の幸せよりも他人の幸せを願っている」ようにも見えるけど、雪菜が本音を語ってるシーンをもとに突き詰めれば「自分の大切な人の幸せのためなら自分が不幸になってもいい、でも本当は自分の大切な人が全員幸せになった上で自分が一番幸せになりたい」の方が近くて、しかもそれを「かずさに向き合って救った上で、それでもなお自分を愛してほしい」と春希に押し付けているのだから、優しさの皮を一枚めくってみればそこにあるのは傲慢の塊と言っても過言ではない。

でも雪菜がはっきりわがままを言うシーンはほとんど無くて、あったとしてもそれは一時の感情に振り回されているだけなので、基本的には全てを自分で抱え込むタイプなのでその傲慢さが表に出ることはあまりない。本当に春希に受け入れてもらえるかを確かめるために最後に噴出するのだけれど。

また「強さ」という点で見れば、もっと強ければ春希を信じられるのに春希との関係の中で何度も傷ついてしまう、もっと弱ければ心が折れるか春希を頼ってしまうのに周囲の人々や春希の救いの手を待って立ち直ることができる。強すぎない程度に強くて、幾多の苦しみを乗り越えて最終的には強すぎるという微妙なバランスを保っている。

このように優しさと傲慢さ、強さと弱さ……と相反する要素を持ち合わせていて、小市民的で人間臭い嫉妬深さもあるけど最終的には人間離れした割り切りを見せて人の幸せを願うことができる人、ゲームのキャラクターとしては複雑すぎるけどこんな人は絶対現実には居ないだろうなと思わせる二次元にも三次元にもいない人、それが小木曽雪菜という恐ろしく魅力的な人間なんだろうなと思う。

 

 

小考察 - どのルートが「正解」なのか

まず前提として、恋愛アドベンチャーゲームに正解のルートがあるとは思わない。仮に後続の作品に基づく正史というものがあったとしてもそれは正解を決めるものだとは思わないけど、「このゲームの筋書きを一本の文章でまとめなければならないとすれば、その時に選ぶべき結末」というのを「正解」として定義しておく。

その上で、終わった直後は雪菜ルートが正解であると信じて疑わなかったのだが、後から冷静にかずさルートの意味を考えるうちにその確信が怪しくなってきて色々と考えを巡らせていたので、その一応の結果を書いておきたい。

 

結論から言えば、WHITE ALBUM2というゲームとしての正解はかずさルート、WHITE ALBUM2という物語としての正解は雪菜ルートだと思う。

言葉遊びのようになってしまったけど、まずはかずさルートから。それを考える上で、まず丸戸史明のこの発言を考えておきたい。

会社を辞めるんだったら,やっぱり二か月前には申し出て引き継ぎをしなくてはならないし,自分の社会人経験に照らし合わせても,そこはどうしても描いておきたかった。だからあの三人は,それまでの生活をかなぐり捨てるためにちゃんと手順を踏んで,ひとつひとつ社会とお別れをしていく。もし「2」にテーマと呼べるものがあるとしたら,まさにここだと思います。

社会に全力で立ち向かいたい人のための,PS3「WHITE ALBUM2」インタビュー。シナリオ・丸戸史明氏,原画・なかむらたけし氏に聞く,その思惑

つまり社会と向き合わずに逃げることもできるけどそれでかずさと結ばれることはできませんよ、たとえ結果的に社会を捨てることになっても殴られ、罵られ、絶交することで向き合うことが重要なんですよという話であって、あそこまでネチネチとプレイヤーの心を痛めつける展開は相当気合を入れて書いていたんだなと伺える。

雪菜ルートの大団円は似たような感情を他のゲームや作品でも得られるかもしれないが、かずさルートで一人の女を選ぶためにここまで築き上げてきた大切なものを全て切り捨てていく感覚はそうそう感じられるものではないだろうし、まさにこのゲームの真骨頂と言えるものだと思う。

どこかで「もしcodaをアニメ化するならかずさルートにすべき」という意見を見たが、かずさルートが非常に辛く雪菜ルートが本当に嬉しかった自分ですらこれには結構同意する。この作品で一つのルートしか描けないとするならば、確かに5年間一度も諦められなかった女のために全てを捨てる姿の方が美しい。

またプレイ中は「ここまで何もかもを捨てて一人の女を選ぶ意味が分からない」と思っていたが、後から考えるとこのゲームは人生ゲームではなく恋愛ゲームなのであの二択で一番好きな女を選ぶ方が選択として妥当な気はしていた。要するに、このゲームがWHITE ALBUMという名を冠した恋愛ゲームであることを前提とするならば、「正解」と言えるルート、作中で一番描きたかったであろうルートはかずさルートであるというのが個人的な結論になる。

 

この考え方に従えば、雪菜ルートで雪菜を選ぶ理由は「婚約した相手を選ぶのは当然」、あるいは「全てを捨てる勇気がないから」などの妥協のようなものになってしまうが、それは確実に違うと思う。じゃあなぜか?という話になってくるとここからはほとんど憶測になってしまうけど、そもそもこの時点では選択など発生しておらず、かずさルートではかずさを、雪菜ルートでは雪菜を選ぶしかないのではないかというのが自分の見解になる。

そうなる理由を順を追って考えていくと、

 

①根本的な要因その1:春希は母親に対するトラウマを抱えていた

春希が小学生の頃に両親が離婚したこと、それ以来母親とは疎遠であること、icでの空港から帰ってきた時のかずさ相手にせよccでのクリスマス後の千晶や麻理相手にせよ「信頼している人に捨てられたと錯覚した」時に拒絶反応を起こしていることから、その経験に何かしらトラウマを抱えているのは確か。

 

②根本的な要因その2:①のトラウマが原因で人に頼ることができなかった

春希は自分の主体的な行動の支援を求めることはあっても、雪菜ルートで雪菜に助けを求めたただの一回を除いては自分から他人に頼ったことはなかった。どんなに辛い状況でも春希のとった行動は自罰的になって塞ぎ込むか、頼りにしたい人に接触して救いの手を差し伸べてもらうのを待つかの二つしかない。

自分自身人に頼れるタイプではないのでよく分かるが、頼りにしたい人に拒絶されることを極端に恐れるから、なのではないかと思う。その恐れがあるとすれば、前述のトラウマが最大の原因となっていることは想像に難くない。

 

③状況的な要因:雪菜ルートでは、春希の中で「雪菜は自分が頼ってもいい人間である」という信頼があった

メタ的な話ではあるが、雪菜ルートにはかずさとの関係を包み隠さず話す選択を選び続けなければ入ることができない。逆に言えば、雪菜ルートは「かずさのことになれば雪菜には平気で嘘をつく春希が、正直に雪菜と向き合うことを決意した未来」と言える。初めてかずさに関することで本音を言ってくれたから、雪菜も本気で向き合う。だからこそ、ここで雪菜は春希を初めて叱るのだと思う。

5年かけても(最後の最後を除いて)春希の一番愛する人にはなれなかったけど、5年分苦しんだからこそ本当の強さを得て、その強さと5年分の絆で春希が世界で唯一頼れる人になれたというわけで、かずさが逃げる以外のケースでかずさに勝てるはずがなかった雪菜が勝つことの理由付けにもなっている。

 

④かずさルートで雪菜という選択肢がなくなる要因:春希は家族を失って孤独になる危機に瀕している人間を絶対に放っておけない

春希がお節介というのは当然だが、こうした状況ではお節介を通り越した異常な介入者になっている。これが如実に現れているのが『歌を忘れた偶像』での友近への対応で、母の入院費を稼ぐために一緒にバイトして金を渡し挙句の果てに絶交するという作中でも一二を争うほどの常軌を逸した行動を見せている。その動機が①で挙げたトラウマであること、当時の自分のような状況に陥った人を見過ごせないことは言うまでもない。

親友でもないし絶交する予定の友近ですらこれなのに、その当事者がかずさである時にかずさを見捨てて雪菜を選べるはずがない。確かに雪菜を頼ることができれば雪菜を選びつつかずさを救うこともできるのだが、かずさルートでは③の要因を満たしていないので、残念ながらかずさを救うという結論が決まると同時にかずさを選ぶという選択も自動的に決まってしまっているのではないか。

 

⑤雪菜ルートで雪菜以外の選択肢がなくなる要因:春希は三人でもう一度、あの文化祭の日をやり直さなければならないと考えていた

かずさを救うためには、確かにかずさルートのように自分が唯一の支えとなるという手段もある。けれども、あの文化祭の後はかずさの周囲には春希や雪菜以外にも演奏に感動したファンがいて、かずさの世界はたくさんの人がいた。もしあの文化祭まで時を戻せるのであれば、自分が唯一の救いにならずともかずさは一人ではなくなるのではないか。それに、最後に三人が三人でいられた文化祭の直後に戻ることができれば、三人の関係性はもっと別の形になることができるのではないか。

春希が作詞した『時の魔法』には「ゼロからonce again」というフレーズが何度も出てくるが、背景にあるのはまさにそういう期待である。その願いと雪菜という頼れる存在があるからこそ、その両方を蔑ろにする選択はもはや選びようがないように思える。

 

ここまでの内容を総括すると、

・常識的に考えれば周囲の人々の期待を裏切らずに婚約者の雪菜を選ぶのが当然である

・が、その選択は今までの春希の生き方を考えると非常に困難であって、その場しのぎの楽な選択を続けていればかずさを選ぶのが当然である(それ以外の選択肢がない)

・が、春希が「雪菜に対して嘘をつかず向き合う」という困難な選択を貫けていればむしろ雪菜を選ぶのが当然である

 

となる。三人の事情を何も汲まない「常識的な」判断が二転して三人にとって一番正しい判断になるのが妙。三人の関係に決着をつけるには留まらずあまりの根深さに本編ではあまり触れられていなかった春希の過去にさえも決着をつけることができた世界、それは流石に物語としての「正解」といって差し支えないのではないかと考えている。

 

総評

いわゆるエロゲの名作というのを考えたとき、色々なエンディングがある中でその集大成とも言えるような特定のルートのストーリーが極めて秀逸だから名作と呼ばれていることが多いと思うんだけど、この作品はその集大成に位置する雪菜ルートの対になるようなかずさルートが単なるその集大成の前座とは到底思えないし、上でも書いたようにむしろかずさルートが正解とすら思える。

そしてそのどちらを選ぶかという選択が単にプレイヤーや主人公の好みによる恣意的なものではなくて、主人公の今までの人生、5年間築いた関係性、そして「嘘を吐き続ける自分を改められるか」という覚悟の有無から必然的に決まっているようにも感じるというところがこのストーリーの凄さと言える。

ここで注意すべきなのは、この作品は「嘘をついてはいけません」という子供向け絵本みたいなメッセージを提示しているわけではないというところ。というか、世間的に考えれば浮気を恋人に打ち明けるのはただ自分が罪を抱え込みたくないから自白してるだけであって、むしろ嘘をつかないのは責任からの逃避だという考えも一般的だと思う。だから嘘をつかない雪菜ルートが必ずしも倫理的に正しいというわけではない。

ただ、そういう一般的な浮気事情と春希と雪菜の関係が一線を画しているのは春希にとっての雪菜は今までの関係値がゆえに春希の社会そのものであるという点で、雪菜に嘘をつくならば今度はかずさを得るためには社会から徹底的に拒絶されて丁寧に去らなければならないし、結局のところ社会と向き合わないということ許されていない(その点で言えば結局雪菜から逃げた/社会から逃げた2つのルートは誰とも結ばれるべきではないが、ノーマルルートはその代償に相当の後味の悪さを残しているし浮気ルートは社会と再び繋がることを契機として雪菜と結ばれている)。

何かメッセージがあるとすればそうした恋愛と社会の不可分性に関するところではないか、というところで序盤で引用した丸戸インタビューの内容に綺麗に繋がったので、ここらへんでストーリーに関する感想は終わりにしたい。

結局具体的な評価を何も書いていないが、滅多に一つの作品について真剣に考えたりましてや文章にしたりしない自分がこうやって長文感想をしたためている時点ではっきりと書くまでもないということにしておく。

 

楽曲

ほぼ全部良い曲だけど特に書きたいことがある曲だけ抜粋。

 

届かない恋

WA2といえばこの曲、だとは思うが正直それほど好きではない。というのも、歌詞を春希がかずさに向けて書き、かずさがそれに曲を付け、それを雪菜が歌うという構図がいつまで経っても雪菜にとって残酷だと思わずにはいられない。春希と二人きりのステージでこの曲を歌うことで雪菜はそれを乗り越えられたことを踏まえても、この歌詞は雪菜には向けられていないことはどうしても腑に落ちない。

ただ、そういった経緯を抜きにしてこの曲が三人の物語にもたらした意味を考えればWA2の代表曲であることには全く異論がないし、それに値する曲であることは間違いないと思う。

 

Twinkle Snow

WA2で一番好きな曲。icのEDというcodaの頃には完全に記憶の彼方にあるような立ち位置だけど、ピアノ版とインスト版が重要な場面で頻繁に使われるのでBGMとして非常に印象に残るであろう曲。ピアノ版が流れて回想に入る場面は大体泣いていたので、聴くだけで条件反射で泣きそうになってしまう。

icのEDとしては、おそらく初めての合宿の日~学園祭前ぐらいの雪菜の気持ちを映した歌なのだと思っている(最初はかずさの曲かなと思ってたけど、かずさは恋心を見つけているのは「今夜」より前だろうしかずさにしては全体的に前向きすぎる気がするし、雪を強く意識しているのは雪菜の方なのでは)。ただアニメではどう見てもかずさの曲として使われていたし、なんとも言えない。

 

心はいつもあなたのそばに

流れるタイミング上かずさの曲だと思い込んでいたけど、雪菜ルートを経て不倶戴天の君へを読む中で「会えない日が続いても」、「平気なフリをして隠している私の弱さ」の意味が分かってあ~~~となった。

ccのEDの愛する心ははっきり言ってあまり雪菜のストレートな気持ちの曲ではないので、おそらくcc雪菜ルート以後の雪菜の春希に対する気持ちをはっきり描いた唯一の曲なのではないかと思う。ピアノだけをバックに始まり「きっと」と願う1番、増えた楽器を背に「ずっと」と信じる2番、覚悟を決めるDメロ、「あなた」の思いを案じるラスサビの流れが雪菜の揺れ動く感情そのもので……

 

POWDER SNOW

歌われる場面は何度かあるけど、まあかずさエンドのラストの曲。

この期に及んで春希に向かって今更I still love youと歌う意図が全く分からず混乱していたけど、"you"は単数ではなく複数形である、という解釈とアフターストーリーを見て心底納得した。あの後にどうやって立ち直って再び二人を受け止められるようになったのか想像もつかないが、雪菜の強さがただ恐ろしい。

 

 

以上。書きたいことを適当に書いてたら8000字超えてた。

cc以降のアニメ化には時期的にも尺的にも期待してないけど、コロナで流れた10周年イベントが復活することは15周年でも20周年でも何のこじつけでもいいのでひっそりと期待しておきます。